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MAIN STAGE Ashiya One-Block
○暮らしと街に明りを灯す
都市部に建つ、集合住宅と店舗の計画である。敷地は、北側で広い国道に面し、遠く六甲山系を望む場所にある。東西には大型のマンションが建ち、南側は低層の住宅街が広がり、高所からは大阪湾を望むことができる。
クライアントが望まれたのは、住戸が住む人の暮らしをより輝かしいものにすること、建物は社会的な資産でもあり、街にも明かりを灯すようなものであることであった。
以前、この国道沿いの計画地から200mほどの場所で、同じクライアントから、本社ビル+店舗と店舗ビルの2棟の設計の依頼を受けている。その際の命題も、街を元気にすることであり、今回の計画もその延長線上にあった。
○街を感じ、自然を感じる
開放的な広がりのある都市空間の中で、街を感じ、自然を感じながら棲むことをテーマとした。街をダイレクトに体感できるように、建物は国道側の最前面に配置している。 街を見渡せ、あたかも街に浮遊しているように感じられる居場所を設けた。国道沿いに東西に果てしなく続く風景を眺めることができる。
また、北側の千鳥の開口部や横長窓により、山並みや街の風景が切り取られる。千鳥の開口は、約3mの幅のバルコニーの半分の幅で、内部空間との間にバッファーゾーンをつくっている。国道側には、リズミカルな表情をみせ、国道からの騒音を遮る役目も果たしている。最上階は、メゾネットの住戸となっており、南に開く大きなテラスを設けた。高い視点から遠く大阪湾を望むことができる。
エレベーターホールや廊下の共用部は、建物の中央に配置し、屋外として南北に風が抜けるようにした。最上部の屋根庇には開口をとり、壁面に落ちる太陽光の影をみることができる。室内においても、北側のバルコニーでは、外壁の内側を照らす光を感じられる。建物を介して、光や風の自然が身体に心地よく響いている。
○緑を明りで彩る
国道の境界と建物の間には、植栽帯を設け中木を配置した。共用部にも、植栽を垂直に設け、住人に緑を提供するとともに、街からも植物を楽しむことができる。敷地の南側にはガーデンを設け、エントランスや店舗、南側の近隣住宅から眺められるようにした。
夜にはライトアップによる灯りで、軒天井に緑の影が広がる。街に明りが灯り、住民とともに街が活性化することを願っている。
カテゴリー:architecture
場所:兵庫県
用途:レジデンス
構造形式:RC
規模:6F